直方鞍手消防本部 救助工作車
直方鞍手消防本部 救助工作車
今回紹介するのは直方鞍手消防本部 救助工作車。
ベース車:日野 レンジャー
艤装:帝国繊維
種別:救助工作車Ⅱ型
日野レンジャーをベースに帝国繊維が艤装。帝国繊維HX型キャビンを採用したバス型救助工作車。埋込型赤色灯で中央部にスピーカーを設けている。スピーカーカバーは黒色に塗装されており、カバー色一つで印象も変わる。赤色灯、作業灯はウイレン製を採用。
車体左側面。稲妻と直線を用いた「NK(Nogata Kurate)」の大きなデザインとエンブレム、管轄である3地域に合わせた3本のラインなど派手な塗装になっている。アオリはキャビン部から続き中央部から下っている。クレーン基台部にもアオリがあり、すっきりとしたシルエットになっている。
デザイン秘話があり、キャビン上部の破線(RESCUE表記部)は有名釣り具メーカー「ダ〇ワ」の社名デザインを意識したものだという。
車体右側面。標準ホイールではなくメッキホイールを採用したのは中隊長の意向だとか。中隊長殿、メッキホイールとても似合っております。
資機材庫上部に設置された照明装置。二枚目の画像を見ていただくとわかるが不思議な形状をしている。それに合わせ収納ボックスも特別な形状になっている。海外TEKLITE社の照明装置だ。
展開の様子。左右4個ずつ配置されたライト部がそれぞれ稼働するため、照射範囲を自在に変えることができる。現場では大変重宝されているとのこと。
ちなみに照明部後ろの金属板は収納時、資機材庫上部と一体化しフラットなスペースを確保するためのものだというが車両規模的にそうはならない。あくまでも海外製消防車両での使用を前提としているようだ。
車両右後部ドアより室内。ハイルーフキャビンなだけありとても広い。座席は跳ね上げ式を採用し足元スペースを最大限確保している。
スッテプだが最上部に微妙な段がつけられている。車両構造上仕方ないのかもしれないが隊員目線では大きな障害部になるそうだ。
後席右側に設置されたテーブル。災害現場では展開しエアコンの効いた室内で供述調書を書くことができ便利とのこと。
埋込型赤色灯。ウイレン製を採用してあり中央部にはLED回転灯を設置。カウルに沿ってLEDテープが取り付けられ視認性の向上に貢献している。
今回、資機材の紹介は割愛させていただきます。
前任車(日野レンジャー 標準ルーフ)と比較してお話を伺うことができたので紹介させていただきます
【利点】
・キャビン拡大による居住性向上
・後席エアコン装備により快適性向上
・資機材のアップデート
・デザインの向上
【欠点】
・速度が出ない
・故障多発(撮影翌日に工場へ)
・資機材庫の謎スペースが多い
・後方ウインチの巻取りが不便(30秒に一度巻取りを止めないとモーターが焼き付く)
など、一長一短のようだ。
当車が納車される予定は昨年12月末だったが予定から大きく遅れ、今年2~3月ごろに納車された。それにより前任車は車検を通し残りの余生を車庫裏で過ごしている。
今回はこの辺で。
対応してくださった隊員様、非常に濃い内容のお話をしてくださりありがとうございました。